MTB 1xドライブトレインへのアップグレード方法
20年以上前に買ったマウンテンバイクの3×8ドライブトレインを1×10に載せ替えてみました。結果良い感じになったので、使ったパーツや注意点などまとめてみました。
用語
まず、3×8や1×10の表記で、xはバイと読みます。最初の数字はチェーンリング(フロント)のリングの枚数で、後ろの数字がリアのカセットのスプロケット(ギア)の枚数です。英語だと、ワンバイテンとかと読みます。カセットのスプロケットの枚数を単独で表記する場合は8枚なら8speedで8sと、sをつける。それぞれのスプロケットの歯数は36tなどと、tをつけて表記します。カセットは一番小さいスプロケットと一番大きいスプロケットで11t-40tカセットなどと表記されることが多いです。
この記事で英語と日本語表記の対応は、chain : チェーン、derailleur : ディレイラーとします。(この二つの単語を並べると、何故chainはチェインじゃないのか謎。。)
1xのメリット
フロントディレイラー/シフターを取っ払う事が出来るのが1番のメリットです。可動部品が減るということはメインテナンス必要性や故障する可能性も減らせる。何よりも見た目がシンプルで掃除もしやすい。重さは部品点数減る分減ってると思うけど、これはメリットとして上げるほどではないかな。
デメリットとしては、いくらカセットをワイドな10sにしても、1xはレンジでは2xよりも狭くなる。なので、メリットデメリット以前に3xや2xのレンジが必要なら、そもそも1xに変える選択肢は無い。
1xを可能にしたテクノロジー
フロントディレイラーが無いので、本来ならチェーンが跳ねた時に外れやすくなる。それを外れにくくする昔は無かったパーツ側の新しい技術があります。
ナローワイド チェーンリング
チェーンは幅が細いリンクと太いリンクが交互に繋がってます。それに合わせて噛み合わせに遊びを無くすために歯の方も太い歯と細い歯が交互に並んでるのがナローワイドと呼ばれるチェーンリング。1xをうたうチェーンリングは普通ナローワイドです。(2xや3xにナローワイドが無いのはまず必要無いというのと同時に、ワイドの歯があると変速できないから。) ナローワイドだと、チェーンの噛み合わせに遊びがなくなるからか、すごく滑らかにペダルを漕げる様になる感じがします。
ナローワイドの代わりにチェーンガイドを1xでも使う事もできますが、それだとシンプル&クリーンな1xなメリットが無くなる。
クラッチ
これはリアディレイラーの機能で、段差を飛び降りた時とかに発生するチェーンの跳ねを抑える機構です。SRAMでROLLER BEARING CLUTCH、シマノではSHADOW RD+と呼ばれてます。
1xパーツの選び方
クランクセット
ボトムブラケット+クランクアーム+チェーンリングのセットです。まずボトムブラケットとフレームの互換性が鍵です。例えば、SRAM Dubの場合はpressfit/BSA/BB30/pressfit30と4種類用意されてます。僕の1996年モデルのSPECIALIZED RockHopperの場合はBSAです。次に、クランクアーム+チェーンリングは、そのボトムブラケットと互換性があるものに絞られます。
チェーンリングはboostタイヤ用の3mmオフセットか、non-boostの6mmオフセットの2種類あるので、そこはおさえておきます。僕の場合はクランクセットとして売ってるものでは歯数が自分の欲しいものと合わなかったので、別にチェーンリングだけをWolf Toothから36tの物を買いました。どういうギアレシオにすれば良いかの計算はこのサイトが便利でした。rpm(足の回転数)一定の場合にスピードがどれだけ出るかをいろんなギアの組み合わせで計算できます。
1x用だとチェーンリングはナローワイドのはずですが、確認は忘れずに。
カセット
8sから10sまでのカセットはそのまま入れ替えられます。もともと付いてた8sを10sにしました。チェーンリングの歯数と込みで自分に必要なギアレシオの物を選択します。
リアディレイラー
カセットが何速かに合わせて選びます。カセットが10sだとディレイラーも10s。カセットの一番大きいスプロケットのデレイラー側の対応に限度があります。36t以上のスプロケットは対応してないディレイラーがあるので注意です。また、ケージの長さによって、同じ型番のディレイラーのバリエーションがあります。ロングケージ、ミディアムケージ、ショートケージ等。これは、変速で生じるチェーンの長さの変化に対しての対応力です。1xだと普通はショートかミディアムでいいはず。
クラッチ機能付きなのを確認。
シフター
カセットが何速かに合わせて選びます。カセットが10sだとシフターも10s。
ついでにアップグレードしときたいパーツ
グリップはボルト締め付けタイプに変えたんですが、グリップの剛性感が高まりました。ブレーキケーブルもこの機会に一新。
パーツリスト
- SRAM GX Eagle Dub Crankset
- Wolf Tooth Components Direct Mount Drop-Stop 36T Chainring for SRAM
- SRAM Dub English Threaded (BSA) Bottom Bracket
- Shimano XT RD-M786 10 Speed Rear Derailleur (最大36t)
- SHIMANO SL-M640 Zee 10 Speed Shifter
- Sunrace 10-speed cassette CSMX3
- Shimano XT Cn-Hg95 10 Speed Chain
- Shimano Road/MTB Brake Cable Set
- ODI Rogue Bicycle Grip Bonus Pack (Black/Black)