Utada – 日米CD価格差
これ、Utada の新しいアルバム This Is the One の日本版とUS版の Amazon.co.jp に於ける価格の違い。日本版は3倍高い! 3000円というのは日本では一般的な価格だけど、高すぎる。逆にUS版が安すぎるように見えるかもしれないが、Amazon.com では $8.99 なので、レートを考えると1000円でも高い位。US価格、これ Utada だけが安いのではない。プレオーダーしてるとどんなアーティストでも大抵 $8.99。
前回の Exodus のときも1ヶ月ずらしてたが、この価格差からしてやっぱり同時発売は無理。こっちでの発売は日本から2ヶ月遅れの5/12。日本よりUSをターゲットにした Utada 名義のアルバムなのに矛盾してる。Utada サイドはUSでのマーケティングを理由にしてるけど、一番の理由は日米価格差からくる日本のマーケティングからの要求だと思う。Utada 好きなので(ほんとに好きなのは宇多田ヒカルの方..)早くCD欲しいんだけど、海外発送の送料込みで4倍近いお金は出して日本から輸入する気にならない。かと言って後でCD買うのに iTunes でダウンロードしたくない。iTS で世界ほぼ同時なのは iTS は価格差があまり無いのと DRM のおかげか。
4、5年前に日本の著作権法が改正されて、海外から日本国内への低価格版CD還流防止処置がとられているが、日本のレーベル等権利者の間で欧米版には適用しないという紳士的合意がなされた。その合意は、これが著作権法なので権利者が問題を訴えない限り輸入版流通に問題ない事に基づいてる。実際の手続き的には、「日本国外頒布専用」や同等の記述をCDパッケージに一言入れれば、権利者は法的にそのCDの日本への輸入を差し止める事が出来るようになってる。今はアジア版だけにその文句を入れてて、欧米版には入れてないという事。今回の Utada のアルバムはというと、Amazon.co.jp でプレオーダーを受け付けてるって事はちゃんと紳士協定が守られてるようだ。実際輸入版発売になるまで、なにがあっても驚かない、、、
日本国内版とUS版の価格差約2000円。この差額が直接アーティストの印税収入を直撃するならあえて高い日本版買っても良いと思う。でもそれは違うようだ。日本ではアーティストに入る印税は作詞/作曲/歌唱/演奏等それぞれ売り上げの1から2%と言われてる。たったそれだけ? USではCD安いにも関わらす一枚あたりからのアーティストへの印税は、それぞれの契約に依って大きく変わるが平均的には日本とほぼ同じと聞いた。なのでアーティストへの貢献では、CDは一番安い価格で買っても同じで、安い価格で買うべき。差額をアーティストに還元できるアーティスト別口座があれば直接送金したいほど。
海外に進出できるほどの才能を持ったアーティストは日本にいっぱい居るけど、進出がほとんど無いのは日本とUSのCD価格差が大きな障壁になってるためだと思う。つまり、JASRACと日本のレーベルのせい。iTS でその状況はだいぶ変わったと思うけど、まだデジタル販売比率は2割程度らしい。個人的には圧縮音源じゃなくてlosslessでしかも物理的にパッケージとして置いときたいし。