村上春樹
ここ最近、小説を読んだ記憶が無い。少なくとも社会人になってから読んでないと思う。忙しくて暇が無いからというのもあるけど、それより個人的な環境の変化からくる理由が大きいかな。一番本を読んでたのはいつだろう、、、多分中学時代。
先月、日本に帰ったときに本屋の文庫本売り場に久々に足を踏み入れたら、文庫本で売り出されたばかりで平積みになってた村上春樹の「海辺のカフカ」が目について、なんとなく買ってしまった。村上春樹は「ノルウェイの森」しか読んだことがない。これ読んだのは高校位の時で、ストーリーはほとんど記憶のかなたに消えてしまってるけど、しばらくその本の余韻に浸っていられるような印象に残る本だった事はよく覚えている。それ以来村上春樹にはずっと興味だけは持ってたけど、他の本は読んだ事が無い。今になって振り返ると、読んで無かったのがすごく不思議な気がする。
「海辺のカフカ」は東京ー大阪間の新幹線の中で読み始めて、帰りのダラスへの飛行機の中でもずっと読んでた。おもしろかった。「ノルウェイの森」を読んだ時と同じように、現実から離れてその小説の世界に浸れた。実は日本を発つ前に、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」も買い足してた。それも今日読み終ったけど、やはり良かった。「海辺のカフカ」と「世界の終り・・・」は2つの物語が同時進行するところもそうだけど、似てるところがいくつかあった、図書館とか影とか。
「世界の終り・・・」は映画の Matrix に通じるものがあるなあと感じた。順番的には逆か。心ってなんなんだろう、この自分がいる現実世界ってなんなんだろう、、と余韻の中でふと考えてしまう。いろいろ謎というかひっかかるところがあるから、もう一回読み返してみたい。
最近、ちょっと仕事をサボりたいというか、現実逃避願望みたいなのが押し寄せてるんだけど、その願望を満たすのにはぴったりだった。「ノルウェイの森」も引っ張り出してきてもう一回読みたくなった。
BGM: 風光る / 坂本美雨